印刷用語集『 あ行 』

【 あ 】

  1. Adobe Systems Incorporated

    • 「 Illustrator 」
      アドビシステムズが販売するグラフィックデザインソフトウェアです。Illustratorは画像を拡大・縮小しても画質が劣化しない「ベクター」データを扱います。
      ロゴやアイコン、イラストや図表の作成や、写真とテキストを組み合わせた「名刺」や「チラシ」「ポスター」などの一枚ものの印刷物のレイアウトに、広く使われています。

    • 「 Photoshop 」
      アドビシステムズが販売するグラフィックデザインソフトウェアです。Photoshopは、点の集まりでできた「ビットマップ」データを扱います。
      複雑な色合いを表現すること、様々なアート効果を加えることを得意としているため、写真の加工や編集、イラスト素材の合成、調整などに向いています。
      印刷物を作る場合は、Illustratorで紙面をレイアウトする際に使用する素材をPhotoshopで作成する、という使い方が一般的です。

    • 「 InDesign 」
      アドビシステムズが販売するDTPソフトウェアです。InDesignもIllustratorもベクターデータを取り扱い、印刷物の作成に広く使われますが、InDesignは「ページ」という概念があるという点がIllustratorとは大きく異なります。
      そのため、「冊子」「雑誌」「書籍」などのページものを作成するなら、InDesignが便利です。ページ管理に加えて、目次、索引、脚注、相互参照などの機能を備えることで、ページ数が多い印刷物でもミスなく効率よく作業ができます。

    • 「 Acrobat 」
      アドビシステムズが開発する、PDFファイルを作成・編集・加工・管理するためのソフトウェアです。PDFはオープンフォーマットなので、PDFを作成するソフトは他にもありますが、AcrobatはPDFの作成に加えて編集機能、電子フォームの作成など、より多くの機能を備えています。
      なお、多くのパソコンにプリインストールされている「Acrobat Reader」はPDFを閲覧・印刷するための無償のソフトウェアで、「Adobe Acrobat」とは異なります。

  2. アウトライン化

    アウトライン化とは、文字そのものの線やオブジェクトに「縁取り」をして図形化することです。これをすることにより別の環境(他のパソコン等)での作業において、その機器に該当のフォントがない場合でも「文字化け等」が発生しなくなります。

  3. アタリ

    印刷時には印刷されない、仮の「文字、線、画像」を使い大まかにの配置決めすることです。「アタリ線、アタリ画像」などがあります。

  4. 網点(あみてん)

    グレイスケールやカラーの画像を、小さな点のパターンで表すことで印刷を可能にしたものです。ハーフトーンとも呼ばれます。

  5. アンチエイリアス

    デジタル画像(文字や画像)はピクセル単位より細かく描画することが出来ません。そのため物体の輪郭に「ジャギー」と呼ばれるギザギザが発生して見えます。それを「エイリアス」と呼びます。背景との境界を中間色(線画が黒で背景が白であれば灰色)でぼかすことで滑らかに表示されているように見せることができます。その処理をアンチエイリアスと言います。

  6. アンカーコート

    印刷する際にインクの接着性を高めるため、用紙にコーティング剤を塗布することです。

【 い 】

  1. イタリック体

    見た目が右に傾いている文字です。本来は欧文で使用される書式です。しばしば「斜体」と同一視されますが、両者は異なります。しかし近年日本ではほぼ同じ意味で利用されています。

  2. アタリ

    印刷時には印刷されない、仮の「文字、線、画像」を使い大まかにの配置決めすることです。「アタリ線、アタリ画像」などがあります。

  3. イメージセッター

    データから、製版のためのフィルムや印画紙を出力する専用プリンタのことです。レーザープリンタがトナーと呼ばれる粉末状のインク定着方式をとっているのに対し、イメージセッターは印画紙やフィルムを感光させる方式となります。イメージセッターでの製版工程はCTP(Computer To Plate)と呼ばれています。

  4. インキ転移率

    紙に転移したインキ量の比率をさします。インキ転移不良がおこると、色むらやインク剥離などになってしまいます。

  5. インクジェットプリンター

    印刷する際にインクの接着性を高めるため、用紙にコーティング剤を塗布することです。

【 う 】

  1. ウェイト

    DTPデザインにおいてはフォントの太さ(フォントウェイト)に使われる言葉です。「light、medium、bold」などがあります。

  2. ウェットピッキング

    印刷時におこる紙むけの印刷不良のことです。特にオフセット印刷でおこり、湿し水でぬれた紙表面の一部がインキで引きはがされる現象です。印刷用紙の耐水性が弱いとおきてしまいます。

【 え 】

  1. エアブラシ

    エアブラシとは、塗料を圧縮した空気で霧状に吹き付ける塗装器具のことです。グラフィックのソフトウェアにはエアブラシで描いたような表現の「エアブラシツール」があり、DTPでは主にそちらのことをさします。

  2. エンベッド

    PDFデータをどのコンピュータで開いても、フォントを正常に表示できるようにするフォント埋め込み方法のことです。これをしておかないと予期せぬフォントに変換されたり、文字化けしたりすることがあります。

  3. エンボス

    用紙に凹凸をつけて立体的なデザインにする加工のことです。エンボス加工することによって特徴的なデザインになります。

【 お 】

  1. オーバーコーティング

    印刷物の耐性を持たせるために透明な樹脂を塗布する加工のことです。「摩擦、水」などへの耐性強化が出来きます。ステッカーや書籍の表紙印刷などに利用されています。

  2. オーバープリント

    オーバープリントとは、あるカラーの上にカラーを重ねて印刷することをさします。これをすることによりズレ(版ズレ)が起きた場合などでも目立たなくすることが出来ます。複数の色を使いオーバープリント指定「せず」に印刷しズレた場合、白い隙間などが出来てしまいます。

  3. オフセット印刷

    デザインの版と刷られる用紙が直接触れない印刷システムです。版についた染料を一旦中間転写体(ブランケットなど)に転写(offset)し、その後実際の用紙に印刷するため「オフセット印刷」と呼ばれています。「オフセット、オフ」と呼ばれることが多いです。大量印刷する場合は「版」があるためコストを抑えることが可能です。インクが紙にしっかりと密着するため仕上がりが高品質です。デメリットとしては、少部数だとコスト割高になります。

  4. オンデマンド印刷

    デジタル印刷機を使用した印刷方法です。「必要な時に必要なだけ」印刷できることがオンデマンド印刷のメリットです。「短納期が可能、版が不要、小部数印刷が低コストで出来る」という特長があります。デメリットとして、大量印刷では単価が高くなってしまいます。