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DTPってなんだろう
皆さんはDTPという言葉を聞いた事はありますか?
DTPとは印刷業務を表す言葉として良く使われており、正式にはDeskTop Publishing(デスクトップパブリッシング)といいます。
それを省略した言葉がDTPで、日本語では「机上出版」や「卓上出版」とも言われています。 とはいえ、こんな風に言葉だけ説明されても、漠然と「出版ということは本とかに関係があるのかな?」と思うだけかと思います。
実はこのDTPはBUSINESS名刺印刷所の核とも言える言葉で、BUSINESS名刺印刷所で働く多くのスタッフがDTPオペレーターです。
今回は、私達の仕事を少しでも知ってもらうために、DTPの歴史と、それに関わる人達の細かな仕事についてご紹介していきます。
DTPの歴史
まずDTPの意味について簡単に説明をすると、「パソコンを利用し、印刷物を作成する作業を表す言葉」となります。
つまり、印刷が関わるものはほぼ全てDTPも関わりがあると言う事です。
とはいえ、DTPの歴史はそう古くはありません。
もともと、印刷と言うものは、版画の工程をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思いますが、版下と呼ばれる印刷する元を作成した後、製版し紙などに印刷すると言う工程でした。 いくつもある工程を何人かの職人が手分けをして行っていたので、印刷物には多くの労力と時間が必要で、高価なものとなっていたのです。
その後、パソコンの登場により、印刷物をパソコンで作成する技師が進みます。
結果、ほとんどの作業を少数の人間で行なう事が出来るDTPが普及していき、今のDTPがあるのです。
DTPデザイナーとは
DTPデザイナーとは文字通り、印刷物をデザインする人です。
グラフィックデザイナーとも言われます。
駅やお店に貼られたポスター、本屋に並ぶ書籍、看板、他には名刺など、「印刷」がされているもののほとんどはDTPデザイナーの仕事と言ったら、驚く人もいるのではないでしょうか? そのため、DTPはデザイナーの幅はかなり広いのですが、DTPデザイナーがすべてのDTPの知識を持って、すべてのデザインをつくることは不可能となるので、多くのDTPデザイナーは専門分野に分かれて仕事をしています。
DTPオペレーターとは
DTPデザイナーがデザインをする人を指すというのはわかりやすかったと思います。
では、DTPオペレーターとは? デザイナーと何が違うの? と疑問に思ったのではないでしょうか?
DTPオペレーターは、基本的にはデザインはしません。
場合によってはデザインも行いますが、多くの場合デザインはデザイナーに任せます。
では何をするのか?
答えは「印刷を出来る状態にデータを作る」です。
デザイナーがデザインしたものは一見そのまま直ぐに印刷出来そうですが、印刷物となるとそのまま使えない事が多いのです。
印刷がずれる事なく出来るように専用のパソコンソフトを利用して、用紙サイズの設定や、文字のサイズや位置のバランス、色のバランスなど、印刷において必要な調整をオペレーターが修正したり、加工したりします。
上でDTPデザイナーが「様々な印刷に関わるデザインをしている」という事を説明しました。
それと同じ事がDTPオペレーターにも言える事で、DTPオペレーターの仕事も看板やポスターから、書籍、テキスト、辞書、チラシ、名刺など、ありとあらゆる「印刷物」を作る仕事をしています。
多くは、印刷所、印刷会社、出版社、それらの下請け企業で仕事をしていますが、大きな会社ならば、印刷物を作成するために専属でDTPオペレーターを雇っていることもあります。
DTPオペレーターが居るメリット
DTPオペレーターはどちらかといえば、技術者、もしくは職人です。
DTP専用のパソコン用ソフトが使えることも必須となります。
デザイナーももちろんDTPのルールの知識はありますが、DTPオペレーターが修正する事で二重チェックにもなっています。
さらに、DTPオペレーターの力が発揮されるのは、書籍や名刺など内容が異なる印刷の枚数の多いものです。
書籍や名刺は、デザイナーがデザインしたベースとなるフォーマットを元にDTPオペレーターが実際に必要なデータ(文字や画像)を配置して実際の商品を作成します。
名刺で例えるならば、名前や肩書きが空欄の基本となるデザインをデザイナーが作り、実際の名前や肩書きをオペレーターが入れてバランスを整えたりする。と言うのが、多くの会社の作業分担になると思います。
つまり、DTPオペレーターという印刷知識のプロがいることで、名刺などを作る際も明確なデザインのアドバイスをしてもらいやすくなりますので、安心して作成を任せられるようになるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
DTPについて、特にDTPオペレーターについてはなかなか知ることが出来なかった話しも多くあったかと思います。
DTPオペレーターは、印刷という仕事を円滑に行うためには、とても必要な職業です。
特に教科書やテキスト、他には会社や商品のパンフレットや名刺などの多くの文字や写真の挿入が必要になる印刷物の作成にはDTPオペレーターは欠かせません。
デザイナーがすべてをやっていては時間がかかりすぎてしまうことを、DTPオペレーターが分担しておこなうことで、よりクオリティの高い商品を早く顧客に届けることが出来るのです。
デザインとしてだけではなく、より多くの人に見やすくて読みやすい、好感をもてる印刷物を出来るだけ短い時間で迅速に処理するためにも、DTPオペレーターは必要なのです。◆ 関連記事 ◆「 データ入稿時、配置画像にご注意を! 」
https://www.btool.jp/extra/tips/data20210423/
「 オフセット印刷とオンデマンド印刷の違い 」
https://www.btool.jp/extra/tips/on-off-2021/
「 印刷について 」
https://www.btool.jp/extra/tips/印刷について/
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カレンダー(その2)「歴史・由来」
私たちが普段何気なく使っているカレンダー。販促物としての一面もあり、毎年さまざまな企業から出ています。BUSINESS名刺研究所でもさまざまな種類のカレンダーの取り扱いがあります。
この記事では、そのカレンダーにまつわる歴史や、起源はどういうものなのか、どのようにして作られたのか、紹介します。
暦の伝来
カレンダーは暦に基づいて作られています。その暦は、どのようにしてできたのでしょうか。
日本で最初に暦が使われたのは、6世紀ごろと言われています。中国の百済から、「元嘉暦」という暦が伝来しました。元嘉暦は、宋の時代の太陰太陽暦です。
太陰太陽暦とは、太陰暦がもとになった暦です。太陰暦では、月の満ち欠けに基づいて一ヶ月の長さを決めます。しかし、これだと一ヶ月の長さが29日なので、「実際の季節とだんだんずれてくる」というデメリットがあります。そこで、閏月を入れて調整するようにしたものが、太陰太陽暦です。この時代では、「閏3月」などのように記した月があり、一年を13ヶ月にする閏年があったそうです。
そして690年には、中国の唐の時代の暦法である、「儀鳳暦」も併用されるようになりました。その7年後には単独使用されています。
この頃から江戸時代初期まで、日本では各時代の中国の暦法を輸入して使用していました。
文字や漢字が中国から伝わったというのは有名な話ですが、暦も中国から取り入れていたということですね。
そして862年から使われたのが、「宣明暦」です。これは1684年までの823年間という最も長い期間使用されていました。
現在の暦 グレゴリオ暦
そして今私たちが使っている、「グレゴリオ暦」になったのは明治時代のことです。改暦のときには明治5年12月2日からいきなり、明治6年1月1日になったそうです。グレゴリオ暦は太陽暦で、地球が太陽の周りを一周する、公転に基づいたものです。
グレゴリオ暦のもとになったのは「ユリウス暦」というもので、古代ローマで作られました。ユリウス暦では4年に一回、2月を29日にすることで、太陽が実際に公転するのにかかる時間とカレンダー上の時間のずれを調節しています。しかしこれでも、約100年後には1日のずれが生じます。何千年という尺で見れば、何週間もずれてしまい、暦の上での季節と実際の季節が異なるということになりかねません。
この調整の精度をより向上させたのが、グレゴリオ暦です。4年に一回、2月を29日にする閏年を、400年の間に97回と定めました。こうすることによって、ずれは3000年で1日遅れるくらいにとどめることができます。
明治から現在まで147年間、このグレゴリオ暦が使われており、私たちが普段使っているカレンダーもグレゴリオ暦に基づいています。
カレンダーのさきがけである具注暦
奈良時代から江戸時代に渡って、「具注暦」というものが使われていました。これは、毎日の吉凶や年中行事などの主要な情報を盛り込んだ、簡易版カレンダーのようなものです。特に、平安時代の貴族たちは毎日この具注暦に従って行動していました。さらに具注暦の余白には日記を記していたとか。
一般市民にも使われた仮名暦
そしてかな文字の普及によって、具注暦を簡略化した「仮名暦」が広く使用されるようになります。鎌倉時代には、印刷されるようになり、貴族だけでなく一般市民にも浸透しました。
柱暦
さらにコンパクトにした「柱暦」というものも家庭で使用されていました。一年間の主要な暦を記したダイジェスト版で、柱に貼り付けていつでも見られるようにしていました。年末には商店や本屋が、宣伝として柱暦を配っていたそうです。まさに現在でいう、壁掛けカレンダーのようなイメージです。
また、小さく畳んで持ち歩けるものもあり、それらは「懐中暦」と呼ばれています。懐中暦は持ち運び用の表紙も付いていたそうです。まるで現在の手帳のようです。
曜日の起源
では、「月火水木金土日」という曜日は、いつから使われているのでしょうか?
日本では、平安時代に空海という僧が唐から持ち帰ったと言われています。元をたどると、曜日の概念は、古代バビロニアで誕生し、それがインド、中国、そして日本に伝わったとされています。
古代バビロニアでは、たくさんの星のなかでも「土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月」は特別視されていました。
1日のなかで、「0~1時は土星、1~2時は木星、2~3時は火星……23~24時は火星」というように、1時間ごとにその星に支配されていると考えるようになりました。そして1日の始めに支配する星がその日の曜日だと決めました。(先ほどの例では、土曜日になります。)
これを毎日当てはめていくと、最初に支配する星の順番が、「土星・太陽(日)・月・火星・水星・木星・金星」となります。そして、キリスト教では「日曜日は安息日」という考え方と合わさり、今の「日月火水木金土」という順番になったとされています。
まとめ
また、BUSINESS研究所の卓上カレンダーはシンプルなデザインで、お客様に使ってもらいやすいものになっております。4タイプのデザインから選べて、書き込みスペースも広く、自信の商品です!ぜひ販促ツールとしてご検討くださいませ。◆ 関連記事 ◆「 カレンダー(その1)「暦」 」
https://www.btool.jp/extra/tips/calendar2020/
「 カレンダーの豆知識 」
https://www.btool.jp/extra/tips/calendar20210625/
「 英語表記について 」
https://www.btool.jp/extra/tips/英語表記について/
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こだわりで差をつける! 加工名刺
他とは違った個性あふれる名刺を作成したい。
そういった思いがあってもなかなかアイデアが浮かばないという人は多いのではないでしょうか。
今回はBUSINESS名刺印刷所でできる名刺の加工をご紹介します。
欧米サイズ・変形サイズ
最初にご紹介する加工から力業ですが、通常と違うサイズの名刺で相手にインパクトを与えよう! というご提案です。
日本の一般的な名刺のサイズは91×55mm。
一方、欧米サイズはそれよりも少し小さめの89×51mm。
変形サイズは45~93mm×45~63mmの範囲内でカスタマイズが可能です。
外資系にお勤めの方なら既に欧米サイズの名刺を使っていらっしゃるかもしれませんね。
ワイシャツの胸ポケットにすっと入る大きさです。
通常名刺とはたった5mmほどの差ですが、人間の慣れとは恐ろしいもので、手にしたときには明確な違いに気付きます。
そして裏面にローマ字表記の名前や、英語表記の情報が載っていれば「グローバルな人なのかな」という風に興味を持ってもらえるきっかけにもなります。
また、例えば変形名刺で正方形の名刺を作れば相手には間違いなく、変わった名刺を持った人だと覚えてもらいやすくもなるでしょう。
費用も100枚につきプラス300円なので少ない投資でビジネスツールにテコ入れができます。
型抜き
名刺を自由な形にカットする型抜きは、名刺交換の際に間違いなく話題になる加工です。
自社の商品に関するものや、好きなもの、好きなモチーフの形に名刺を作成することが可能です。
型抜きの名前の通り、型を作ってカットするので初回のみ型代が必要ですが、その後は100枚3500円の加工費のみで自分だけの名刺が手に入ります。
また、弊社が既に用意している型の中からお選びいただくと最初の型代は発生しません。
たとえば写真の蝶の名刺も、リボンを結んだベルにしたりと、発想次第でデザインは無限です。
ぜひ、ご検討・ご相談ください!
箔押し
箔押しは金や銀の箔を貼る加工です。
色は金のツヤあり・ツナなし、銀のツヤあり、ツヤ無し、メタリック赤、メタリック青からお選びいただきます。
やっぱりキラキラしたものは目を引くので社名を箔押しするのはかなりおすすめです。
箔押し用の型はそれぞれオリジナルで作成するため初回のみ型代が発生します。
料金は片面が100枚4000円。両面が7500円です。
少しお高めですが、ここぞというときの名刺にいかがでしょうか?
型押し
型押しは圧力を加えて凹凸を作る加工です。
印字をしないのに文字が見えるというかなり上級の加工です。
型で盛り上げて文字が浮き出るように見せるか、へこませて文字に奥行きを出すかはお客様のお好み次第。
名刺自体の手触りも変わるので独特の味のあるおもしろい名刺になります。
バーコ
バーコは特殊な樹脂の粉に熱を加えて隆起を作る加工です。
盛り上がった部分はつるつるとした手触りになります。
1色ごとに料金がかかるため、「これぞ!」という色を決めてご注文ください。
初回のみ版代として1色ごとに1200円がかかります。
加工費は黒色は100枚4000円、その他の色は100枚4500円。2色以上使う場合は1色ごとに4500円が加算されます。
知る人ぞ知る加工で、斬新な名刺を作りませんか。
シール
名刺の加工とは異なりますが、BUSINESS名刺印刷所では謹賀新年シールも販売しております。
新年の挨拶回りをおめでたく演出できるこのツールは、今ある名刺にぴたっと貼るだけ!
シンプルな名刺をお持ちの人ほど映える演出になります。
2シート300円、3枚目からは1シート100円で購入できるため、名刺のアレンジの第一歩にいかがでしょうか。
BUSINESS名刺印刷所ではお客様からの様々なご要望にお応えします。
屋号にもある通り、特に名刺制作に特化しておりますのでまずはお気軽にご相談ください。
今まで培ってきた経験とスキルを持って、お客様のお気持ちに寄り添ってご提案・ご対応させていただきます。
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冊子印刷の歴史と活用方法
雑誌やパンフレットなど、身近で目にすることの多い冊子。
「ZINE」という新しいカルチャーが人気の今、ビジネス用途だけでなく「個人の趣味としてオリジナルの冊子を作りたい」という方も多いのではないでしょうか。
BUSINESS名刺研究所でも冊子印刷の取り扱いがあり、「少部数から手軽に作れる」とご好評いただいています。
この記事では、冊子の歴史を通して、冊子印刷のメリットや活用方法をご紹介いたします。
巻物から冊子へ ~「コデックス」の歴史~
冊子とは、複数枚の紙に印刷して綴じた本のこと。書物一般を指すこともあります。
洋の東西を問わず、本や冊子の起源と言われるものはいくつかありますが、今回は古代ローマで誕生した「コデックス」について見ていきましょう。
コデックスとは、古代末期から中世にかけて作られた写本のこと。この写本は巻物ではなく、冊子状に綴じられているのが特徴です。
コデックスの原型となったのは、古代ローマの筆記具でした。薄い木の板の表面に蝋を塗った「蝋版」を何枚か重ね、皮紐などを使って綴じ合わせたもので、鉄筆で蝋の層を傷つけて文字を記します。温めて蝋を溶かすことで文字が消えるため、繰り返し何度も使うことができました。現代の感覚からすると、エコロジーな筆記具ですね。
筆記具・コデックスは、木の板の代わりに紙が使われることで書物になり、次第に巻物に代わって製本様式の主流になっていきます。
■ 1世紀
写本としてのコデックスが作られるようになったのは、1世紀後半のことです。
しかし、当時は紙として薄くてもろい「パピルス」が主に使われており、コデックスの形に製本するのは困難でした。そのため、この時代には巻物形式の書物の方が多く作られていたと考えられます。
■ 2~4世紀
羊皮紙(パーチメント)の普及とともに、書物の形は巻物からコデックスへと移行していきました。
羊皮紙は耐久性に優れ、表裏両面に書き込めるので、冊子の形に製本するには好都合だったのです。情報量が多く、巻物に比べて必要な情報を見つけやすいとあって、羊皮紙を使ったコデックスの普及が進んでいったといいます。
■ 6世紀
6世紀に入ると、コデックスはイタリアの修道士によってさらに広められました。この頃のコデックスは羊皮紙を重ねて皮ひもを通し、革や木の板を使った丈夫な表紙を取り付けたもの。表紙には金具を打ったり宝石をはめ込んだりして、装丁の美しさも競われました。
この時代から1000年ほど後に製紙・印刷・製本の技術が発展し、手書きの写本を作る必要はなくなりました。しかし、コデックスに使われた「冊子」という製本方式は、今も世界中の書物に欠かせないものとなっています。
冊子のメリット
冊子という製本方式には、一体どんなメリットがあるのでしょうか。
具体的には、以下の5つが考えられます。
・情報量が多い
・見開きを使った表現ができる
・用紙がバラバラになりにくく、持ち運びに便利
・棚に縦置きしやすい
・長期の保管にも適している
冊子は、一枚ものの紙に比べると多くの情報を掲載することができます。また、見開き2ページ分が一度に見られるのも特徴です。複数の情報をカテゴリーごとにまとめて紹介する際に効果的ですね。
また、製本してあることで、バラバラになりにくいのもメリットです。単に用紙を束ねたものに比べると、各段に持ち運びしやすくなります。
さらに、書籍などの情報量が特に多い冊子には厚みが出るので、背表紙にタイトルを表記することができます。そのため、本棚に置いた時に分類しやすく、丈夫な表紙をつければ長期保存にも耐えることができます。
冊子印刷の活用方法
ネット社会と言われる現代ですが、冊子印刷は昔と変わらず「便利さ」や「自己表現」の上でとても魅力的なものです。会社案内などのビジネス用途はもちろん、自主制作冊子「ZINE」の流行により、ますます活躍の場を広げています。
活用方法の一例は、次のようなものです。
・会社案内
会社案内をWEBサイトのみで完結する方法もありますが、見る際にはネット環境が必要なため、見せたい相手や場面によっては十分に機能しないことも。
会社案内の冊子には、
「訪問先や展示会などで、適切なタイミングで会社の紹介ができる」
「検索する手間がなく、必要な情報をすぐに取り出せる」
などのメリットがあり、会社のコンセプトを分かりやすく表現した冊子が多く作られています。
・商品パンフレット
A5サイズなどの小さい冊子は、手に取りやすく、カバンに入れて持ち帰りやすいもの。置き場所もとらないので、商品の陳列スペースの近くにパンフレットを置いておけば、お客様により詳しい情報を届けることができます。小さいサイズの冊子でも、見開き全体を大きく使うデザインにすれば、写真などを印象的に見せることができます。
・「ZINE」
「ZINE」とは、「リトルプレス」とも呼ばれる、少部数で発行する自主制作の出版物のことです。「同人誌」と似た意味ですが、ZINEの特徴は「とにかく自由」であること。写真・イラスト・コラムなど、様々な内容を好きなように冊子の形にできるのが魅力です。自分で楽しむためだけに作られることもあれば、カメラマンやイラストレーターなどのポートフォリオ代わりに制作されることもあります。
BUSINESS名刺研究所では、4~24ページに対応した中綴じ製本の冊子印刷を承っております。「1冊から注文できる」「短納期」などの特徴があり、お客様からのデータ入稿による印刷はもちろん、デザイン制作からお任せいただくことも可能です。 冊子印刷をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください! -
各国の名刺文化の違い
名刺交換は日本で真っ先に覚えさせられるビジネスマナーの一つではないでしょうか。
名刺を差し出す順番から、受け渡す際の高さ、手の配置、受け取った後の扱いまで細かいマナーが存在します。
名刺は自分と所属する会社を伝える「顔」ともいえるビジネスツールなので、その扱いも非常に丁寧。
基本的に何かを書き込んだりすることはあまりありません。
しかしながら、アメリカのドラマなどを見ていると、受け取った名刺にメモを書き込んだり、そもそも受け渡しのタイミングが別れ際だったりと、日本とは明らかに違った使われ方をしています。
名刺は各文化によってその位置付けが異なるツールなのです。
欧米の名刺文化
欧米では名刺はあくまで「連絡先カード」です。
そのため、メモを取ったり、すぐにスーツやズボンのポケットにしまうのも失礼にはなりません。
商談の結果、今後連絡を取る必要性を感じなければ名刺交換しないこともしばしばです。
渡すタイミングも決まっておらず、名刺交換をするよりも、握手やスモールトークで良い印象を残すことが重要になっています。
また、一口に欧米といっても、国ごとに名刺を使うシーンが異なります。
例えばアメリカではビジネスでよく使われる連絡先カードという認識ですし、イギリスではビジネスの場で使うことはあまりなく、名前のみ記載したカードをパーティーなどの社交の場で使用することが多いそうです。フランスで名刺を持っているのは管理職以上の人、そして、ドイツやロシアでは国内では一般的に使われないため、名刺文化のある外国人を相手にする際に使用するビジネスツールです。
アジア圏の名刺文化
アジア圏の名刺文化はほとんど日本と同じです。
しかしながら、名刺をしまうタイミングまで気にすのは日本だけのようで、名刺をもらってすぐにしまっても問題はありません。
名刺のデザインには特徴があり、中国では赤や龍をモチーフとした名刺が、東南アジアでは仏教のシンボルである蓮の花や象などの縁起の良いものをあしらった名刺が好まれます。
また、中国では名刺交換の際に名刺をじっくりと見て、相手の名前を覚えることが重要となります。
このタイミングに名前が覚えられず、後からテーブルに並べた名刺を何度も確認してしまうと、相手の名前も覚えられない人間という悪印象を与えてしまいます。
名刺交換をしたらすぐに名前を覚えるという習慣は、ぜひとも真似したいですね。
名刺サイズの違い
名刺の一般的なサイズは国ごとに異なります。
もし海外での仕事をする際は、その国で最もよく使われているサイズの名刺を用意した方が良いかもしれません。
国ごとの一般的な名刺サイズは以下の通りです。
微妙な差はありますが、どの名刺サイズも手に収まる大きさであることがわかります。
・日本 91×55mm
・アメリカ 88.9×50.8mm
・イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア 85×55mm
・オーストラリア 90×55mm
・中国 90×54mm
・韓国 90×50mm
・ベトナム 91×55mm
欧米の名刺サイズが小さいのは、Yシャツの胸ポケットに折らずに、ちょうど入る大きさから名刺のサイズが決められたためです。
日本の名刺のサイズが91×55㎜である理由は、日本では昔から計量法に「尺」や「寸」という尺貫法を用いてきたためです。
1寸は約30.3mmなので3寸は約91mm。長辺を91mmにした際の短辺の黄金比は55mmであるため、名刺の標準サイズは91mm×55mmになったというわけです。
BUSINESS名刺印刷所では、海外で使用する名刺作成のご要望にもお応えします。
様々なサイズの名刺や、その国の文字表記、好まれるデザインなど、対応できる幅が広いのでお気軽にお問合せください。
500を超えるBUSINESS名刺印刷所のテンプレート名刺から選んだデザインも、「もっとこうしたい!」というご指示をいただければ、あなただけの名刺を作成することが可能です。
BUSINESS名刺印刷所で海外にも通用する名刺を作りませんか?
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チラシ(フライヤー)とは
大勢の人々に撒き散らす(散らし)一枚刷りの紙媒体広告がチラシの語源です。
チラシとよく似た言葉にフライヤーがありますが、こちらは戦時中に飛行機を使って上空から紙媒体広告を配っていたことから、英語の「flyer」が語源であるとされています。
チラシとフライヤーに大きな違いはありませんが、使用目的で呼び名を変える場合があります。
生活の中で一番身近なチラシといえば新聞折り込みのチラシではないでしょうか?
スーパーの特売チラシ、家電量販店のお買い得チラシなどたくさん目にしていると思います。
A4サイズやB4サイズの大きさで作成されるのが主流で、薄手の紙で印刷される場合が多いです。
一方、フライヤーは一般的に特定の場所に据え置くことに適した紙媒体広告を差します。
イベント告知や店舗オープンの宣伝に使用される場合が多く、チラシに比べサイズが用紙サイズが小さく、少し厚手の紙に印刷されることが多いです。
チラシの歴史
江戸時代から大正時代にかけて、商店、問屋、仲買、製造販売元などの宣伝用に作られた「引き札」と呼ばれるチラシ広告が配布されていました。
引き札の始まりとして残っている記録には、天和3年(1683)に越後屋三井(現在の三越百貨店)が「現金安売り掛値なし」という引き札を江戸中心に配布したというものがあります。
引き札の語源は、「お客を引く」、「引き付ける」、「配る」(昔は配ることを引くと言っていました)から来ているといわれています。
この時代からデザインは、明るく色鮮やかな多色刷りの版画で作成され、当時の人気絵師や著名な浮世絵師などが制作を手掛けており、カレンダーの付いたものなどもありました。
チラシの特徴
広告と聞いて最初に思い浮かぶのがチラシではないでしょうか?
私たちの生活に身近な存在で、これまでの人生でチラシを一枚も見たことがないという人の方が少ないでしょう。
比較的安価で制作できるため、大量に作成し、集客効果を得るための広告媒体として気軽に利用されています。
最近ではインターネットの普及より、ホームページによる集客やインターネット広告に圧されている印象がありますが、まだまだチラシは広告媒体の大きな柱。
ターゲットを絞って配布されるチラシは未だ強力な広告手段とされています。
特に、そもそもインターネット広告を目にしないシニア層などには、チラシ広告による訴求が十分に有効です。
チラシのメリット
1. インターネット環境の整備の可否に関係なく、全ての層への広告配布が可能
インターネット広告の場合、インターネットネット環境が無いユーザーには、広告を見てもらうことはできません。
その点、チラシの場合、どのユーザーにも広告配布をすることが可能です。
インターネット広告などの他の方法と組み合わせることで、さらに広告効果を高めることも可能となりきます。
2. 興味を持っていただければ、手元に保管してもらうことができる
チラシは興味を持っていただければ、手元に残して保管してもらえる可能性があります。
飲食店のデリバリーサービスのメニューチラシなど、ご家庭で保管されているって方も多いのではないでしょうか。
インターネット広告があふれる中、紙媒体での直接的な情報配信はいまだ衰えることの無い情報発信源となっています。
3. 手にとって目にした段階で、情報がすぐ理解してもらえる
A4やB4などの紙面に情報がまとめられるチラシは、一目で内容が理解できる利点があります。
インターネット広告の場合、スクロールが必要であることが多く、一目見た時の訴求効果は紙媒体の方が高いです。
チラシの有効的な活用方法
チラシ広告の種類を大きく分けると以下の3つの項目があります。
・新聞折り込みによるターゲットエリアを絞った広告配布
新聞の種類、配布日程、配達地域などを設定して宣伝することが可能です。
特に主婦層やシニア層に効果が期待できる広告媒体です。
・通販カタログや会員誌への同封同梱によるターゲットユーザーを絞った広告配布
他社の通販カタログにチラシを同封することで、通販顧客向けに広告を配布できます。
会員誌の場合は、会員に興味がある広告配布で効果を得ることが可能となります。
・ポスティングによる近隣地区をターゲットとした広告配布
決まったエリアの1戸1戸に配布するため、地域密着型の店舗やイベントなどの宣伝効果に威力を発揮することができます。
1戸1戸手配りで配布するため、住所がわからなくても地域指定のみで配布することができます。
チラシ広告は予算に応じたエリアやターゲットを選択でき、印刷部数も必要に合わせて設定できるため、新聞広告や雑誌広告と比較しても安価に情報を発信することが可能となります。
チラシを配布すれば、数日で反響が現れるため、効果的な経営戦略などが打ち出しやすくなります。
BUSINESS名刺印刷所では、集客力アップに効果的な「チラシ」をお客様のニーズに合わせて柔軟に対応しております。
短納期や、小部数、大部数など「痒いところに手が届く」をサービスを提供しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
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封筒とは ー 封筒の由来、歴史 ―
手紙や文書、書類などを封入する紙製の筒状の袋を封筒といい、状袋(じょうぶくろ)とも呼ばれます。
封筒の原型は古代バビロン王朝時代
封筒のルーツは紀元前2,000年ごろの古代バビロニアのバビロン王朝時代で誕生したといわれています。
バビロン王朝といえば「目には目を、歯に歯を」で有名なハンムラビ法典で有名ですが、多くの民族を支配するために記録や契約が重要視されていました。
公的な記録や契約などを、粘土板にくさび形文字で記録し、それらを薄く伸ばした粘土板で包んで釜焼きしたものを相手に送っていたのです。いわば今の時代よりも頑丈な「粘土の封筒」です。
日本での封筒の期限は平安時代
日本での封筒の起源は平安時代までさかのぼります。
当時の貴族は、畳んだ手紙を紙で包み込み、その上から懸紙(かけかみ)と呼ばれる別紙で更に包み上下を折り返したものを封筒として使用していました。
現代で使用される筒状の封筒が現れたのは江戸時代の江戸といわれ、文化・文政期では絵が描かれた封筒が流行していました。
イギリスで起こる郵便制度改革により封筒が普及
一般的な紙製の封筒が登場したのは、16~17世紀ごろのヨーロッパです。
1840年のイギリスで起こった郵便制度改革により、今まで手紙の枚数や配達距離によって定められていた郵便料金が、重さで定められるようになりました。
このような背景により封筒が急速に普及していくことになりました。
日本の郵便制度は、イギリスの郵便制度を手本とし、1871年(明治4年)に制定されました。
封筒もイギリスを倣って、一枚の用紙の両端を貼り合わせ袋状にしたものの底部分を閉じて貼り付けたものが普及しました。
なお、封筒は中に何も入ってないと「枚」、中身が入ると「封」と数えます。
製袋(せいたい)の種類
紙を折って、袋状(封筒の形)に貼り合わせることを製袋(せいたい)と呼びます。
製袋(せいたい)の種類は、一般的なもので4つあります。
1. センター貼り
封筒裏面の中心(センター)に貼りあわせ部分がくる、最も一般的に使用されている封筒の種類です。
中心に貼りあわせ部分が来るため、強度があるしっかりとした作りの封筒に仕上がります。
2. ダイヤ貼り
封筒の封をする部分が三角形になっていて、封をする箇所以外の左右と下部分を折り返し貼りあわせた封筒で、貼り合わせ部分が斜め方向になっているのが特徴です。
封筒を展開するとひし形になることからダイヤ貼りと呼ばれています。
3. スミ貼り
封筒の裏面にある貼り合わせ部分が、片端に寄っている封筒をスミ貼りと呼びます。
封筒の表面にも裏面にも貼り合わせ部分が出てこないので、差出人を横書きで書けるなどの利点があります。
4. カマス貼り
2つ折にした紙の両端を貼りあわせた封筒で、印刷した際に色ムラが発生しにくい特徴があります。
一般的にダイレクトメールなどを送る際に使用されるためビジネスで多く使用される封筒です。
封筒の代表的な形は3種類
封筒はその形によって「長形封筒」「洋形封筒」「角形封筒」の3つに分類されます。
これらの封筒は、どれもサイズは号(ごう)で表されます。
1. 長形封筒
縦長の封筒で封入口が幅の短いタイプで、長形(なががた)と呼びます。
日常生活やビジネスシーンで最もよく目にするタイプで、A4用紙を3つ折りにしたものがすっぽりと入る大きさがもっとも一般的な「長形3号」は、プライベートやビジネスシーンでよく使用される封筒です。
2. 洋形封筒
横長の封筒で封入口が幅の長いタイプで、洋形(ようがた)と呼びます。
名前の前に「洋」とあるように、海外でよく使われる封筒です。
グリーティングカードやクリスマスカードを送ったり、結婚式の招待状などを贈る際にもよく使われています。
洋封筒の製袋方法には、ダイヤ貼りとカマス貼りがあります。
3. 角形封筒
A4用紙などが折らずに封入できる大き目の封筒で、角形(かくがた)と呼びます。
ビジネス文章や公文書、法務文書など折らずに封入する必要があるもので多く利用されています。
代表的な封筒のサイズ
封筒のサイズは多種多様に存在しますが、ビジネスでの利用で意外と答えられない封筒のサイズです。
ここでは、最も一般的に使用されているサイズをご紹介します。
・ 角0封筒(角形0号)
287ミリ×382ミリ。:B4用紙が折らずに入れられる封筒サイズです。
・ 角2封筒(角形2号)
240ミリ×332ミリ。:A4用紙が折らずに入れられる封筒サイズです。
・ 角3封筒(角形3号)
216ミリ×277ミリ。:B5用紙を折らずに入れられる封筒サイズです。
・ 長3封筒(長形3号)
120ミリ×235ミリ。:A4用紙を3つ折りにしてすっぽり入る封筒サイズです。
・ 長4封筒
90ミリ×205ミリ。:B5用紙を3つ折りにしてすっぽり入る封筒サイズです。
・ 洋1封筒(洋形1号)
176ミリ×120ミリ。:はがきが折らずに入れられるサイズです。
A5サイズの挨拶状などが2つ折りにして入れることもできます。
BUSINESS名刺印刷所では、中の文書が透けない「透けないケントプレミア」を使用した封筒も取り扱っており、小部数から大部数までお客様のニーズにあったご対応が可能となっております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。 -
カレンダー(その1)「暦」
販促ツールとしても優秀なカレンダー。
BUSINESS名刺印刷所でも「卓上カレンダー」を扱っており、特に年末にかけてご注文が殺到する商品です。
この記事ではビジネスや日常生活において何度も目にするカレンダーについてご紹介いたします。
月と星と暦
カレンダーは暦に則って作られます。その暦ができたのはいつなのでしょうか。
古代では巡ってくる季節を知る手がかりとして月の満ち欠けや星を観測していました。
メソポタミア文明を築いたシュメール人は、月の満ち欠けが一定の周期で行われることを発見し、世界で最も古くから「太陰暦」を使用していました。
月は新月→上弦→満月→下弦→晦へと変化していくのがほとんど7日であるため、1週間を7日とし、新月から次の新月までを1ヶ月と決めたのです。
しかしながら、月の満ち欠けを基準とすると1年が約354日となってしまいます。
地球が太陽の周りを一周する周期と比べると約11日少なく、3年もすると季節と暦とに約1ヵ月のズレが生じて不便です。
そこで、紀元前2000年頃にはバビロニアで「太陽太陰暦」という暦法が用いられるようになりました。
これは、太陽の運行を参考にしつつ「閏月(うるうづき)」という「月」を足して、ある一年を13ヵ月にすることでズレを修正する画期的な方法でした。
また、古代エジプトでは紀元前4000年頃には毎年初夏の雨季の時期にナイル川が氾濫して大洪水をもたらすことと、その前に必ず東の空にシリウスという星が輝き始めることを関連付けて考えていました。
シリウスが見えだす夏至の日を始まりとして、そこからまた次の雨季にシリウスが見えだす前日までを1年と定めたのです。
この周期は1年を365日とするもので、うるう年がないため長年使い続けるとズレが生じるものの、かなり正確なものでした。
古来から人は、空からもたらされる情報によって暦を作ってきたのです。
日本の暦
太古の日本には月と日を定める暦がなく、自然現象に則った自然暦が使われていたとされています。
稲作が始まった縄文時代後期には作物を育て・収穫する習慣ができたため、周囲の自然環境の変化を観察し、季節の移ろいを経験的に把握して自分たちだけの暦を作っていたのです。
日本で古代エジプトのシリウス暦や、古代バビロニアの太陰太陰暦のような暦が最初に公的使われるようになったのは6世紀の推古天皇の時代だと考えられています。
国家を形成していく上でより正確で汎用性の高い暦が求められたためです。
602年に観勒という百済の僧によって中国生まれの「元嘉暦(げんかれき)」がもたらされ、聖徳太子によって2年後の604年に公的に採用されます。
「元嘉暦」は太陽太陰暦で、この暦法は長く日本の暦を支えることになります。
862年から800年間以上使われた中国の「宣明暦」も、1685年に初めて日本人の手によって作られた和暦「貞亨暦」も、その後に作られ用いられたいくつかの暦も、どれも太陽太陰暦が基となっています。
しかしながら、現在の日本ではこの太陽太陰暦は縁遠いものとなっています。
それもそのはず、現在、日本で使われている暦法は太陽暦だからです。
太陽太陰暦から太陽暦への改暦が行われたのは明治時代のこと。
「欧米諸国に追いつき追い越せ」をスローガンに文明開化と西洋化が一気に進み、「西洋のものなら何でもよい」とまで言われたこの時代。
明治6年からは西洋に合わせる形で太陽暦が基になったユリウス暦が、その後明治31年にグレゴリオ暦が採用されました。
現在に至ってグレゴリオ暦(新暦)は使われ続けています。
六曜
暦が太陽太陰暦から太陽暦に代わった一方で、カレンダーに載り続けているのが六曜です。
六曜とは歴注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項のこと)の一つで、現在では特に冠婚葬祭でその日に「やると好ましいこと」「やってはいけないこと」を考えるための指標となっています。
その起源は中国とされていますが、いつの時代から暦注としての地位を確立したのかは分かっていません。
まずは一つ一つの六曜が何を表しているか簡単に見てみましょう。
・先勝(せんしょう)
万事急ぐをよしとし、午前を吉、午後を凶とする日。
・友引(ともびき)
なにごとをしても勝ち負けがないといわれる日。
この日に葬式を出すと、他人の死をさそうといって嫌われます。
・先負(せんぶ)
万事に平静を吉とし、午前は凶、午後は吉とする日。
・仏滅(ぶつめつ)
万事に凶とする大悪日。
六曜の中で最も凶の日とされていて、婚礼などの祝儀を忌む習慣があります。
・大安(たいあん)
万事によいとされる日。
六曜の中で最も吉の日とされていて、特に婚礼は大安の日に行われることが多いです。
・赤口(しゃっこう)
大凶の日。
正午だけは吉とされます。
基本的に「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の順番でカレンダーに並びますが、ある日突然順番が途切れたり、同じ六曜が連続することも時々あります。
これは、旧暦の1日にあてはまる六曜が決まっているため。六曜は旧暦由来のルールが定められているのです。
そのため、前日にどんな六曜が来ていても、旧暦1日になると強制的にリセットされ、途切れたり連続したりということが起こりうるのです。
グレゴリオ暦(新暦)を用いていても、旧暦の習慣が残っているのは興味深いですね。
なお、BUSINESS名刺印刷所の卓上カレンダーにも六曜の記載があるものと、記載がないものをそれぞれ販売しています。
BUSINESS名刺印刷所の卓上カレンダーは「机の上に置いて場所をとらない」「日付が見やすい」「書き込みスペースが広い」とご好評いただいている商品なので、自信を持ってお勧めいたします。
是非、宣伝や販促のツールなどとしてご検討くださいませ!
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喪中はがきで気を付けたいこと
喪中はがきは正式名称を「年賀欠礼状」といい、家族や親族が亡くなった際に、喪に服するため新年の挨拶を遠慮することを事前に知らせる挨拶状です。
歴史的にまだ新しい風習なので「これが絶対的なルールだ!」というものは確立されていませんが、送る際に気を付けたいことをまとめました。
宗教や宗派、地域、各家庭によって異なることはいくらでもあるのであくまで目安としてご参考になれば幸いです。
喪中はがきを送る時期
喪中はがきは「喪中のため新年を喜ぶ挨拶となる年賀状のやりとりはできません」というお知らせなので11月中旬から12月初旬までに届くようにするのが基本です。
年賀状の投函受付は通常12月15日から始まるため、いつも年賀状のやり取りをしている方々と行き違いにならないように、できれば11月中に送るのが理想的です。
何らかの都合でその期間に送れない場合や12月に身内が亡くなった場合は「寒中見舞い」を送付します。
寒中見舞いは松の内(元旦から1月7日)を過ぎてから節分(2月3日)頃までに送りましょう。
さらに遅れる場合は「余寒見舞い」を送るようにします。
喪中の対象となる親族の範囲
一般的には二親等以内の親族が亡くなると喪中になります。
つまり、親等なしの配偶者はもちろん、一親等である自分と配偶者の父母、自分の子ども、子供の配偶者。二親等である自分と配偶者の祖父母、自分と配偶者の兄弟姉妹、自分の兄弟姉妹の配偶者、自分の孫とその配偶者がそれにあたります。
しかしながら、故人との親交の深さによって対応は様々です。
疎遠になっている間柄で喪に服さない場合は喪中はがきを出さなくても問題ありませんし、
親交が深ければ三親等以上でも喪中とする場合もあります。
使用するはがきの種類
郵便局で購入できる通常はがき(郵便はがき)には「胡蝶蘭」柄があります。
これは色合いやデザインが落ち着いているため、喪中はがきや寒中見舞いにも使用できるはがきです。
私製はがきを使う場合は、「弔事用63円普通切手・花文様」という切手を貼るようにしましょう。
あくまで年賀状を送れないお詫びの挨拶状です。華美な印象を与えない配慮が大切です。
書き方の基本構成
喪中はがきの書き方は下記の4つで構成されています。
1. 年賀欠礼の挨拶
新年の挨拶を控える旨を書きます。
「年賀」は祝い言葉なので使用できませんが、「年始」「年頭」「新年」という言葉は用いることができます。
下記のような定型文から選ぶようにしましょう。
- ● 喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
- ● 喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
- ● 喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
2. 故人の情報
亡くなった方の名前と続柄、亡くなった月と享年を記載します。
故人の名前は原則、フルネームを書きます。
続柄は世帯主から見た関係で、妻の父親は「岳父」もしくは「妻◯◯の父」と書き、妻の母親は「岳母」「丈母」「妻◯◯の母」のいずれかを用います。夫の両親はそのまま「父」「母」と表記します。
享年の表記は「享年◯◯」と後ろに「歳」を入れず、数え年で記載するようにします。
3. 感謝の言葉と結びの挨拶
故人に代わり、生前お世話になったことに対する感謝の言葉を記載します。
また、引き続きのお付き合いを願ったり、相手の健勝を祈念したりする内容の言葉で締めることが一般的です。
4. 日付
はがきを差し出した日付を記載します。
また、定型以外にも気にしたいこととして
- ● 挨拶状のため句読点を用いないこと
- ● 行頭の1字下げを行わないこと
- ● 年賀欠礼以外の私信的な近況報告などは書かないこと
- ● 華美なデザインを避けること
- ● 文字色は薄墨色を使うこと
弔事に関わることなのでフォントは楷書体や明朝体が利用されることが多いです。
喪中はがきが届いたら
もし喪中はがきが届いた場合はどうすればよいのでしょうか。
喪中はがきは「年賀状が送れないお知らせ」なので、必ずしも返信する必要はありません。
しかしながら、返信して気持ちを伝えたい場合は、「寒中見舞い」または「年始状」を送るようにしましょう。
「年始状」は東日本震災の翌年から登場した挨拶状で、年賀状と異なり、お祝いの言葉を控えたものになります。
「喪中はがき」を送るほどではないものの、年賀状を送るのはやはり気が引けるという場合にも用いられます。
また、喪中はがきをいただくタイミングによっては、喪中と知らずに既に年賀状を出してしまっている場合もあると思います。
その際には「寒中見舞い」でお詫びの連絡を行うのが一般的です。
もちろん、喪中はがきをいただいた時点ですぐに電話連絡しても構いません。
いずれにしても「喪中を知らなかったこと」「失礼なことをしたお詫び」「お悔やみ」をきちんと伝えることが大切です。
BUSINESS名刺印刷所では喪中はがきのご注文も受け付けております。 お客様の気持ちに寄り添ってご提案もさせていただきますのでお気軽にご相談ください。 -
挨拶状とは ― 挨拶状の由来、歴史 ―
挨拶状は、企業や個人の近況を伝えるもので、相手への感謝の気持ちを書面に認め敬意を表す書状として使われています。
現代社会では電話やメール、LINEといった便利なツールが溢れていますが、相手への感謝の気持ちを伝える際にこのようなツールを使ってしまうと「感謝の気持ちを簡略化している」といった印象を相手に持たれてしまう恐れがあります。
日本には文書で気持ちを伝えるといった習慣があり、礼儀作法を大切にする文化があるためです。
この記事では、挨拶状の由来・歴史を紹介していくことで、挨拶状の大切さをお伝えできれば、と思います。
■ 挨拶状とは
挨拶状と一口にいっても様々な挨拶状が存在しますが、個人で送る挨拶状で身近なものを挙げると以下のものが代表的です。
- ● 年賀状
- ● 喪中はがき
- ● 暑中見舞
- ● 寒中見舞い
暑中見舞いなどを、個人で送られる方は少なくなっていますが、年賀状などはまだまだ多くの方が利用されています。
企業で送るものの代表例は以下の通りです。
- ● 会社、事務所、営業所などの移転報告
- ● 会社設立、社名変更、社長交代のご連絡
- ● お礼状、詫び状
- ● 祝賀状、招待状、案内状など
ビジネスシーンでの利用頻度は高い傾向にあります。
送る内容はもちろんのこと、挨拶状はその作り方を工夫することで企業のイメージや誠実さなどを相手に伝えることのできる大事なアイテムです。
■ 挨拶状(手紙)の由来、歴史
― 日本の歴史上の最古の手紙は飛鳥時代 ―
小野妹子が遣隋使として隋の煬帝(ようだい)へ聖徳太子より託された国書はあまりにも有名です。「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す、つつがなきや」、これを読んだ煬帝(ようだい)は激怒したといわれています。
こちらの国書には「謹啓・謹白」といった言い回しが使われており、現代の挨拶状にも受け継がれています。
「謹啓(きんけい)」とは、手紙・挨拶状の冒頭に使用され、「頭語」と呼ばれます。「謹白(きんぱく)」とは、手紙・挨拶状の結びで使用され、「結語」と呼ばれます。
どちらとも「謹んで申し上げます」といった意味を持ち、ビジネスシーンや目上の方へ手紙を出す際に使うもっとも丁寧な言葉と言えます。
■ 恋文が平安時代に大流行
平安時代には「ひらがな」が誕生し、日常的に文字を書く習慣が定着してくると手紙が大流行しました。
その手紙の大半が恋文(ラブレター)だとも言われており、和歌を書き記し相手に想いを伝える役目を果たしていました。
「手紙」と言う表現が使われだしたのが江戸時代のことで、平安時代には「文(ふみ)」や「消息(しょうそく)」と表現されていました。
ところで、和歌や俳句は原則として句読点を付けないのが決まりです。
文章は、内容を理解し言葉を理解できる人が読めば、どこが終わりか分かるといった不文律があったためです。
これは上流階級のみが文字を使えたという歴史的背景が関係しています。
句読点が出現したのは江戸時代と言われていますが、実は今でも句読点がない文章が正式なものであるという慣習が一部、残っています。
そのために挨拶状や案内状、賞状には句読点を使用しないのが一般的です。
またこれらに句読点を使用しない理由の一説には、句読点を付けるのは文章を読みやすくするための子どもたちへの配慮であるという考えから、相手を子ども扱いしないためにも、挨拶状や案内状には句読点は使用しないとされています。
■ 挨拶状(手紙)のルールが制定されたのは鎌倉時代
飛鳥時代から鎌倉時代初期には書状に決まったルールはなく、鎌倉時代後期に「書札礼(しょさつれい)」といった挨拶状(手紙)の原型ともなるルールが制定されました。
「書札礼(しょさつれい)」内容には「差出者・宛所の書き方」、「文面、文字の配置、文字の崩し方」、「封書の方法」など文書全般に関わる礼法が含まれています。
弘安8年(1285年)、亀山上皇が編纂させた『弘安礼節』と呼ばれる礼式集の中にも「書札礼」が定められています。
■ 日本人は礼儀作法・しきたりを重んじる
挨拶状の手紙の冒頭は、時候・季節の挨拶から始まります。 春夏秋冬、四季の美しさをがある日本であるからこそ、季節の移り変わりには日本人は特に敏感だと言われています。
文章から四季を感じることが出来るのは、日本の手紙が持つ美しい伝統のひとつです。
ビジネスの挨拶状に時候の挨拶を使用する際、「○○の候」と言った「漢語調」がよく使われます。
個人間の手紙では、「海や山の恋しい季節となりました」と言った「口語調」が使われます。
最近では、ビジネスにおいてもお客様に親しみやすい文章を送りたい場合などに後者の「口語調」が用いられることがあります。
挨拶状ひとつ取り上げても、こんなにも深い歴史がありルールが存在します。
厳密にこれが正解と言った形が存在するわけではありませんが、背景を理解して作成した挨拶状には必ず感謝の気持ちを伝える力があります。
BUSINESS名刺印刷所では、挨拶状の作成から宛名印刷まで幅広く対応しているので、ぜひお気軽にお問い合わせ・へご用命いただければと存じます。