紙には繊維の流れ目があることはご存じですか。
普段、生活しているときにはあまり気にすることがないものだと思いますが、印刷会社にとっては紙目はとっても大事な要素の一つです。
今回は紙目についてお話しします。
紙目とは
私たちが日常的に使っている紙は、紙を抄く機械(抄紙機)を使って、パルプを一定方向に流しながら作られます。
そのため、進行方向に向かって繊維が揃いやすく、自然と「紙の流れ目」ができます。
この流れ目を「紙目(かみめ)」といい、印刷や折り加工、製本加工をする際にはこの向きをどうするかが重要なポイントになります。
※紙目は「紙の目(かみのめ)」や「流れ目(ながれめ)」とも表現されますが、この記事では紙目に統一します。
抄紙機からできあがった紙はロール状にまとめられ、
裁断する際に縦目か横目かのどちらかに分類されることになります。
■縦目とは
T目とも、ショートグレインとも呼ばれます。
紙の長辺に対して平行に繊維が流れている紙をいいます。
寸法を表す際は788mm×1091mmというように、「短辺×長辺」で表します。
■横目とは
Y目とも、ロンググレインとも呼ばれます。
紙の短辺に対して平行に繊維が流れている紙をいいます。
寸法を表す際は1091mm×788mmというように「長辺×短辺」で表します。
なぜ紙目が重要なのか
紙の繊維が一定方向に流れているということは、力が加わったときに強い方向と弱い方向があるということです。
つまり、印刷物ごとに適した紙目があるのです。
紙は、
紙目と同じ方向(平行方向)に沿って破りやすく、折りやすい性質を持っています。
ティッシュや段ボールを想像すると分かりやすいかもしれません。
折った場合は、繊維に沿って折っているので折り目が割れにくいのも特徴です。
一方、
紙目と垂直の方向に力を加えると、破りにくく、折りにくいです。
頑張って折ったとしても、繊維に逆らって折っているので折り目が割れたりしわができやすいというデメリットを持っています。
このように紙目に対して折る方向が平行な場合を
順目、逆の場合を
逆目と呼びます。
印刷会社で作られた二つ折りのリーフレットや中綴じ冊子は順目で作成されるのが一般的です。
もちろん、ご注文者様のご要望やニーズに応えて、あえて逆目で作成することもあります。
順目と逆目の見分け方
紙目の性質を知っていると、順目と逆目の見分け方も簡単です。
紙を破ってみて比較的抵抗なく、まっすぐに破れる方が順目です。
逆目は、破る際にまっすぐに破れにくく、破れ口からは毛羽立ちが多く発生します。
折った場合も同様で、順目はきれいに折れますが、逆目は折りづらく、折り目がしわしわになったり、割れたりと汚くなりがちです。
また、折り紙のような真四角の紙の場合は、一辺を手にもって紙をだらりと垂らしてみましょう。
紙は繊維に沿って折れやすい性質があるので、より垂れやすい方が、手で持っている一辺と平行して繊維が流れています。
名刺の紙目
BUSINESS名刺印刷所の名刺は、ほとんどを縦目で作成しております。
縦目にするとこで名刺交換をする際に、紙がぴんと立ってへたることがないからです。
ほとんど、というのはショップカード等の二つ折り名刺があるからです。
二つ折り名刺の場合は、折りに沿うように横目で作っております。
少しの気遣いですが、名刺が最も活躍する瞬間にばっちり決められるように考慮しております。
ぜひ、BUSINESS名刺印刷所で名刺作成をご検討ください。
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